友人との距離感を考える

今住んでいるクチンに引っ越してから、息子たちには普段の練習でのテニス仲間が増え、また、トーナメントに行く機会も増えたのでトーナメントで頻繁に会う州外のお友達も増えました。

それはもちろんいいことです。今までの町で親子兄弟だけでテニスをしていたころよりも断然楽しく練習できているし、子供たちの社会性も身につきます。

しかし、孤独だった今までの生活は、裏を返せば誰にも気を遣わず、迷惑をかけることもかけられることもなく、気楽で良かったなーと思うこともあります。

最近の全国ツアー連戦で、次男(8歳)がある友人と衝突しました。

始まりは2月の第1戦。次男はその友人と初めてシングルで対戦し敗れました。次男の力が及ばなかったというだけの話なので、そのまま気持ちよく終わったのですが、第2戦で再対戦があり、その時は大接戦の末、次男が勝利。そこから、お友達の「嫌がらせ」行為が始まるのです。

子供のトーナメントというのは、大抵は審判がつかず、ボールのイン・アウトやダブルバウンドなどは自己判断です。微妙な判断も多々ありますが大抵の場合ボールが着地した側のコートにいる選手の判断が優先されるという暗黙の了解があります。どうしても納得がいかない場合は審判をリクエストすることができますが、稀です。

次男とその友人の第2戦での試合では、次男が「アウト」とコールしたボールに何度も友人が文句をつけ、途中から審判が立ち会ったのですが、試合後、負けた友人が次男に何度も「お前はズルして勝った」というような発言をしたのです。私の目の前でもそういう発言があり、私は次男に「審判がいたのにズルも何もない。ああいうのは無視しなさい」と言い続けました。

翌日の試合で次男は負けたのですが、その時も彼が寄って来て「自分ならあいつ(次男に勝った相手)に勝てたのに、お前は手も足も出なかったじゃないか。俺の方が上手なのに、昨日お前がズルして俺に勝った証拠だ」というようなことを言ったのです。

そして、表彰式の際にも次男の賞状を隠すなどの行為があり、さすがに次男が彼の母親と私に言いに来ました。前日からの嫌がらせを私は見てきましたし、ちょうど母親の目の前だったということで、本人に賞状の件を注意しました。すると、次男が悪い、みたいなことを言ってきたので、話にならないと思い、私は次男の手を引っ張り無言で立ち去りました。

後日、母親から「息子のせいで気分を害したなら謝る」とのメッセージがありました。「害したなら」って、あれだけ嫌がらせを受けたら当然気分を害するでしょう…と思ったのですが、余計なことは言わずに、賞状の件以前にも嫌な思いをさせられたことを告げると、「わかりました、できる限り『nurture』してみます」という返事でした。この『nurture』というのが曲者なんですよね。俗にいう「叱らない育児」的なもので、この母親の場合、子供に明らかな非があっても「あなただけが悪いわけじゃないけど、もう少し優しい言い方があったわよね」といった具合に諭す…というか宥めるだけなのです。

この子は以前から、ダブルスで負けるとパートナーや対戦相手のせいにして罵声を浴びせる、ふざけてお友達の急所を殴る、試合前に対戦相手に付きまとう、ウォームアップ中に他の子にボールを渡さないなどの問題行為を頻発しており、うちの長男もブランコから突き落とされたりしたことがあります。うちの長男は、その程度のことなら流して黙って立ち去るということができる子なので、大事にはならなかったようですが、その時も次男が「なんでそういうことをするんだ?」と強い口調で言ったところ、逆ギレして次男に罵声を浴びせたそうです。(事勿れ主義の長男談なので信用性あり)

そういう問題行為を他の子や親はみんな知っているのですが、当の本人の親は気づいていないのか、気づいているけど「nurture」しているだけなのか、全く改善する兆しはありません。

そうこうしているうちに、第3戦の最中にまたしても次男と彼の衝突がありました。誰も見ていなかったため、事態を把握するために私が次男と彼を呼んで聞き取りを行おうとしたのですが、「僕は何も言ってない」という次男に対して彼が「クソ野郎」的な罵声を浴びせた上に、母親が私に「大事な試合の前にそういうこと(聞き取り)をしないで」と言い捨て、彼を連れて立ち去ったのです。

私はここでブチっときてしまい、隣のコートに座っていた2人のところに行き「今回の件は誰も見ていないので誰が正しい間違っていると言うつもりはありません。ただ、あなたの息子さんだけが他の子供たちとの間に問題行為を積み重ねているのは一目瞭然ですよね。そのことだけ、わかっておいてください」と言って立ち去りました。

その後、彼はその「大事な試合」とやらで惨敗したのですが、なんと母親は「今朝、ああいう目にあわされたから息子は試合に集中できずに負けた」と私と次男のせいにしていたらしく、私たちに同情した他の保護者が教えてくれました。

「ああ、こういう人たちとは関わりを持ってはいけないんだな。」と痛感した出来事でした。トーナメント中に起きた出来事は夫に逐一報告してあり、この親子に関しては、夫からも「親がそんなならどうしようもないから、もう関わるな」と言われたので、そうするつもりです。

この母親は夫と古くからの知り合いで、サバサバしていて付き合いやすい人だなと私は感じたのですが、深く知ってみると、「叱らない育児」実践者で、自分の子が他人に迷惑をかけても「お互いさま」というか、むしろ「うちの子の機嫌を損ねた相手が悪い」というスタンスの人だとわかり、結局は距離を置くことになりました。

当然のことですが、世の中にはいろいろな人がいて、必ずしも悪い人ではないのだけれど相性は合わない人もたくさんいるわけです。この親子以外にも、えっ、そんなことしちゃうの?と驚かされる親子もたくさんいます。一度親切にトーナメントの情報を回してあげたところ、自分では一切調べようとせずに、その後こちらが少しでも情報を回さないと、なんで教えてくれなかったの?と私を責めてきた親もいました。その親は、誰も教えてくれないから自分の息子はトーナメントに行けない、とか、コーチが依怙贔屓してる、などと非難してコーチを変えてしまいました。自分の思うようにいかないと自分で改善努力せずに、まず言い訳をする、それどころか他人のせいにするというタイプの人たちが実に多いことに驚きます。「他人に迷惑をかけない」という日本では当然の考え方が、外国では通用しない場合も多いです。以前の小さい町で10年も社会性に欠如した生活を送っていたのでそのことを忘れかけていましたが、あまり深入りしない程度の距離感で付き合っていかないといけないですね。

2件のコメント

  1. かな

    お疲れ様でした。
    これは、日本、マレーシアに関わらず、どこにでも誰にでもありうる話だね。

    そして、その距離の取り方がとても難しいことも多く…。

    こちらが距離とっても、あちらが距離詰めて来てくれちゃったりすると(けっきょくのところ、その辺の感覚も違うからなのか?)さらに距離を開けるというのもなかなかに難しく…。

    プライベートでも仕事でもよく直面する。

    しかも、今回は恋は盲目的な感じで、親が盲目になってるからさらに面倒だね。客観的な親バカは最高だけど、盲目になった親バカは最悪…そして、後者は経験上ある国籍の人に多いなあ

    • smilingtweety

      こういうの意外にお疲れするよね…
      多分自分とその人だけの問題なら、もうきっぱり絶縁とかあるんだろうけど、子供が絡むと尚更めんどくさい。
      今回は、「人間性を育てる」ことよりも「我が子がテニスに勝てれば他のことはなんでもいい」っていう考えなんだなと理解して、こういう人とは分かり合えないと思う。
      とりあえず2ヶ月くらい顔を合わせなくていいはずだから、そこはラッキー。私は拒否反応出ちゃうと完全に態度に出ちゃうから、向こうから距離を縮めようとすることは多分ないんじゃないかなとは思う。

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